輪廻転生をお休みする方法は、神上がり(かむあがり)だけではありません。その為の方法論は世界中にあり、実に様々な方法が秘教という形で遺されています。
しかし、どの方法も難しく、誰もが気軽にチャレンジできるようなものではありません。それだけ、輪廻転生から抜け出すのは、難しいことなのです。
ただ、生まれ変わりに関する秘教には、ある程度、共通している部分が見受けられます。それは死後の世界に関係する部分です。
例えば、仏教では亡くなった方に四十九日間の追善法要(神道では五十日祭)を行って、冥福をお祈りします。
この期間は輪廻転生の猶予期間であり、死者の魂は生と死の狭間(中有)に居ます。そして、本来なら四十九日の猶予期間を、無期限に引き延ばす秘教が存在する訳です。
悟りによる解脱とは違って、不確定要素の多い方法ですが、それでも何もしないよりはマシなので、チャレンジするだけの価値はあると思います。
「無期限の中有」を実現するには、それを目的とした新しいグループ・ソウルを作る必要があります。
私たちはグレート・マザーから、新しい生命を産み出したり、新しいグループ・ソウルを作る力を継承しているので、こういうことが簡単にできてしまうのです。
この力を、神道では産霊(むすひ)と呼んでいますが、その正体は境界線を生み出す能力です。
宇宙という大生命から切り離されたのが、私たちのような小生命であり、その切り離しは境界線によってなされます。
境界線は、メンタル体か、コーザル体以上の重層的身体が持つエネルギーによるもので、発動条件は定義や概念といった高度な知的活動です。
とは言え、動物も群れや縄張りという形で境界線を張っているくらいですから、そんなに難しく考える必要はありません。要は、線引きを意識すれば良いだけです。
境界線を張ることよりも、生み出した新しいグループ・ソウルを、死後も維持し続けることの方が、よほど難しいと言えます。
昔の人は、祖霊信仰や、天国(神の国)、極楽浄土といった概念を元に新しいグループ・ソウルを作り、信仰によって維持する方法を編み出しました。
彼らが霊魂の不滅性を信じていたのは、グレート・マザーという不滅の存在を微(かす)かに憶えていたか、自他の深層意識を観ることで思い出したからです。
私たちが死後の世界に惹かれたり、何故か霊界に郷愁(きょうしゅう)を覚えるのは、そのせいです。早い話、みんな本当の母の元に還りたいんですよ。
でも、神上がりの条件を満たすのは本当に大変ですし、その前に「ちょっと休みたい」と考えるのも仕方のないことです。
ならば、休息を目的としたグループ・ソウルを新しく作って、メンバーの代替わりによって維持し続ければ良いのです。
そしてその中から、神上がりの条件を満たす人物を一人でも輩出すれば、御の字です。
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